活動報告
特別展「東福寺」(東京会場)のわいずモニターから①
東京国立博物館で5月7日まで開催中の特別展「東福寺」を観覧し、印象に残った寺宝についてコメントを寄せてくれる「わいずモニター」をわいず倶楽部が募集したところ、次のような感想が寄せられました。
<わいずモニター:のんちゃん(66歳)(兵庫県宝塚市)>
4月12日、特別展「東福寺」の会場である東京国立博物館の平成館を初めて訪れました。入り口で音声ガイドを借りると、木村多江さんと子安武人さんの声がイヤホンから優しく流れてきて、まだ行ったことがない東福寺の世界に自然に入っていくことが出来ました。
東福寺の開山に迎えられた僧・円爾(えんに)の自賛図は、体が少し右を向いたポーズで描かれていたので違和感を覚えましたが、右目を患っていたと知り、納得がいきました。
展示作品の多くを手がけた画僧の明兆が淡路島生まれだと聞き、兵庫県人の私は、がぜん親しみを感じながら作品を鑑賞しました。「お見事!」と圧倒されたのが、高さ3メートルを超す「白衣観音図」(重要文化財)と、本展の目玉の「五百羅漢図」(重要文化財)です。
五百羅漢図は、釈迦の弟子500人を1幅に10人ずつ50幅にわけて描いた連作。このうち現存する明兆筆のオリジナル47幅と、狩野孝信が補作した2幅が修理を終え、今回、初めてまとめて披露されました。
また、東福寺の巨大伽藍と仏教彫刻のコーナーもあり、2メートル以上ある旧本尊の左手「仏手」などから、東福寺のスケールの大きさを実感することが出来ました。ほかではなかなか味わえない展示だと思いました。
音声ガイドの木村さんと子安さんの声が耳に心地良かったこともあって、素敵な余韻に浸りながら会場を後にすることができました。
まだ見ぬ京の東福寺への思いが募り、今秋にも東福寺展が開かれる京都会場に足を運んでみたくなりました。
※特別展「東福寺」の詳細は、こちら。
写真=(左から)東福寺級本尊の左手「仏手」
重要文化財 白衣観音図 吉山明兆筆 室町時代・15世紀 京都・東福寺蔵
※展示期間 [東京会場]4月11日(火)〜5月7日(日) [京都会場]10月7日(土)〜11月5日(日)